<先に結論>

「未処理が残っています」という警告が、いつまでも画面に出ている。そんなときは、件数の表示だけでなく、その警告から対象を確認して、修正まで進めるかを確かめてください。確認や修正が必要な警告なのに対象を探す手段がないと、探す作業がそのまま使う人に残ります。

お金の出入りを管理するツールに、残高の計算に入っていない明細の件数と合計金額を知らせる警告がありました。件数と金額は正しく出ていましたが、どの明細が当てはまるかを表示する機能がなく、対応するには一覧を自分で探す必要がありました。

ここで扱うのは、使う人が確認や修正をする必要がある警告です。知らせるだけで役割を果たす通知もありますが、対応が必要な警告なら、そのあとの操作まで用意しておく必要があります。

件数は分かっても、どの明細かが分からなかった

お金の出入りを管理するツールを、AIに作ってもらって使っています。これから払うものと入ってくるものを明細として登録しておくと、口座ごとの残高がこの先どう変わるかを確認できるツールです。

お金が出入りする口座を特定できない明細は、残高の計算に入れられません。そうした明細があると、残高の表の上に「◯件・◯円が残高に反映されていません」と表示されます。

計算から外れた明細の中に、実際には口座から支払う予定のものが含まれていると、画面に出ている残高の見込みが実際とずれます。そのため、中身を確かめる必要があります。

ところが、警告から該当する明細を開くことはできませんでした。明細の一覧にも、残高の計算に入っていないものだけを表示する機能はありません。警告を見ても、一覧を上から順に見て探すしかなく、件数が増えるほど確認の手間も増えます。

問題があることは伝わっていましたが、その対象を探す作業が、使う人の側に残っていました。

気づく・対象が分かる・修正できる

対応が必要な警告は、次の3段階で見ると、足りない機能を整理できます。

段階使う人ができること画面に必要なもの
気づく問題があると分かる件数、合計金額、状態などの表示
対象が分かる該当する明細や案件を確認する対象の一覧、絞り込み、詳細を開く操作など
修正できる原因を確認し、必要な変更をする理由の表示と、編集画面や設定画面へ進む操作
気づく 件数を出す 対象が分かる 該当する明細を出す 修正できる 理由と修正への操作 今回の警告はここまで 対象を探す作業が、使う人の側に残っていた
今回の警告は、件数を出す1段目だけだった。
対象と理由を表示し、修正に進める操作を足した。

今回の警告にあったのは、最初の段階だけでした。

件数の表示に加えて、該当する明細を開けるようにすれば、探す手間を減らせます。さらに、何が原因で、どこを直せばよいかが分かれば、修正に進めます。

AIにツールを作ってもらうときも、「未処理があれば知らせて」という依頼だけでは、対象の表示や修正の操作まで必要だと伝わらない場合があります。警告を見たあとにできてほしい操作も、具体的に伝える必要があります。

内訳と一緒に、反映されない理由を表示した

最初に、警告を押すと、残高の計算に入っていない明細を表で表示するようにしました。

ただ、対象が分かるだけでは、何を直すべきかは分かりません。計算から外れている理由が、明細によって違っていたためです。

このツールでは、明細に支払い方法を指定し、支払い方法のほうにお金が出ていく口座を設定しています。明細、支払い方法、口座のつながりのどこに問題があるかで、確認する場所が変わります。

反映されない理由は、5種類ありました。

理由確認すること
明細に支払い方法が指定されていないどの方法で支払う予定か
支払い方法に口座が設定されていないどの口座からお金が出ていくか
設定された口座が停止中になっているその口座を使う予定か、停止を外すべきか
設定されていた口座が削除されている代わりにどの口座を使うか
明細に指定された支払い方法が、登録してある方法の中に見当たらない使う支払い方法が登録されているか、指定が正しいか

これらをすべて「反映されていません」とだけ表示すると、使う人は明細や設定を開いて、原因を調べ直すことになります。

そこで、内訳の各行に、反映されない理由も表示しました。 どの明細かだけでなく、何を確認すればよいかまで分かるようにするためです。

修正したあとも、次の明細を続けて確認できるようにした

内訳の行を押すと、その明細をその場で編集できるようにもしました。明細を変更する場合は、別の画面で同じ明細を探し直す必要がなくなります。

ただし、明細の編集と、支払い方法や口座の設定の変更は別の操作です。原因が設定の側にある場合は、その設定を開いて変更する必要があります。「修正できるか」を確かめるときは、明細の編集画面を開けるだけで足りるかを、原因ごとに見ます。

もう1つ変えたのは、1件を修正したあとも、内訳を開いたままにしたことです。

修正のたびに内訳が閉じると、警告を押し直し、次に直す明細を探す操作が増えます。何件かを続けて確認することを考えて、1件の編集で作業が途切れないようにしました。

ここまでの変更は、対象の表示、理由の表示、明細の編集、編集したあとも内訳を開いたままにする、の4つです。対応が早くなったか、未処理の件数が減ったかを判断するには、実際の使われ方を確かめる必要があります。

手元の警告で確認すること

画面に出たままになっている警告を1つ選び、次の順に操作してみてください。

  1. 警告から、該当する明細や案件にたどり着けるか
  2. 何が原因で警告の対象になっているかが分かるか
  3. 原因に応じた編集画面や設定画面に進めるか
  4. 1件の対応のあと、次の対象を続けて確認できるか

対象が分からないなら、まずは該当するものだけを表示する機能から足せます。対象は分かるのに修正へ進めないなら、理由の表示や、必要な画面へ進む操作を検討します。

操作できても対応が進まない場合は、画面だけが原因とは限りません。判断に必要な情報がそろっているか、ほかの仕事より先にやるべきものかも確かめます。

AIに変更を頼むときは、「警告を出して」に加えて、「対象を一覧で見せて」「理由を表示して」「必要な修正に進めるようにして」と、使う人が行う操作を分けて伝えます。

まとめ

  • 確認や修正が必要な警告は、「気づく」「対象が分かる」「修正できる」の3段階で、足りないところを見る
  • 対象が分かっても、理由が分からなければ修正に進めない。同じ表示でも原因が違うなら、理由を分けて示す
  • 明細の編集と設定の変更のように、原因によって直す場所が違う。原因ごとに進める先があるかを確かめる
  • AIに作らせるときは、「知らせて」だけで止めず、対象の一覧・理由の表示・修正への操作を分けて頼む

今日のアクション

  • 画面に出たままになっている警告を1つ選ぶ
  • その警告から、該当する明細や案件にたどり着けるか確かめる
  • 何が原因で警告の対象になっているかが分かるか確かめる
  • 原因に応じた編集画面や設定画面に進めるか確かめる
  • 1件の対応のあと、次の対象を続けて確認できるか確かめる